心のクセを整える

思い通りにいかない理由は、自分の中にあった

朝 もや 霧 木 1本道

【前編】〜期待・正解・コントロール、心のクセを手放すまで〜

思い通りにいかないと悩んでた私

何をやっても、なんか思い通りにいかない。
予定してたことがズレたり、周囲の反応が薄かったり、誰かの言動に振り回されたり。
そんな日が続くと、だんだんモヤモヤしてきて、クサクサしてきて、
しまいには、なんだかいつも不機嫌な私が出来上がる。

でもさ
「思い通りにいかない」って、誰の“思い”なんだろう?って。
そう、「思うこと」そのものが、間違ってたのかもしれない。

相手がこうしてくれたらいいのに。
あの人なら、こう返してくれるはずなのに。
そうやって、無意識のうちに“自分の脚本”を他人に押しつけていたのかもしれない。

それじゃ、思い通りにいくわけがないよね。
(…って、今なら笑えるけど、当時はマジでイライラしてた。笑)

期待があるから、思い通りにいかない

思い通りにいかないって感じるのは、期待してるからなんだよね。
しかも、「期待してないふり」をしながら、めちゃくちゃ期待してる。笑

たとえば——
LINEの返事、すぐ来るかな?
言わなくても察してくれるかな?
家族や恋人、同僚に対しても「こうしてくれるだろう」って、こっちが勝手にシナリオを書いたりしてね。

で、その通りにならないと「思い通りにいかない!!」ってなる。
そりゃそうだよ。こっちの台本、相手に渡してないんだもん。

……いや、渡したとしても無理か。
だって、私の“正解”が、相手の“正解”とは限らないもん。
どれだけ台本どおりに動いてほしくても、登場人物は私の分身じゃない。

今思えば、「私ならこうするのに」っていう気持ちが強かった。
「こっちの方が正解でしょ?」みたいな感覚もあったと思う。
そう、気づかないうちに、自分の“正解”を相手に求めてたんだよね。

「傷つきたくないから期待しないようにしてる」って思ってたけど、
そう思ってる時点で、もうちゃんと期待してたんだと思う。

他人は変えられない。変えられるのは、私だけ

思い通りにいかないことが続いてた頃、私はずっと、“変わってほしい”を外側に向けてた。
子どもには、もっとこうなってほしい。
夫には、なんでわかってくれないの?
職場の人には、もう少しちゃんとしてくれたらいいのにって思ってた。

でも、どれだけ思っても、どれだけ言葉にしても、相手は変わらない。
それどころか、自分だけが疲れて、消耗していく。
「なんでこんなにわかってもらえないの?」って。

そして、気づかないうちに、私は“私が正しい”という壁をつくっていた。
自分の正しさにしがみつくことで、余計にしんどくなってたんじゃないかなと思う。

そんなとき、講座で言われた言葉に、私は大きくうなずいた。

「変えられるのは、未来と自分だけ。過去と他人は変えられない」

……だよね。
“相手を変えようとする”こと自体が、思い通りにいかない原因。

だったら、先に変えるのは私。
行動を変えるとか、急に優しくなるとか、そういう話じゃない。
まずは、自分の反応・捉え方・境界線を整えること。

相手は相手のままでいい。
私は、私としてどう在るか。

その視点に立てたことで、少しずつ、景色が変わっていったと思う。

“思い通りにいかない”と“うまくいかない”は違う

「思い通りにいかない」と「うまくいかない」って、似てるようで実はまったく違う。
この切り分けができるようになったら、スッキリした。

「思い通りにいかない」は、“こうあってほしい”っていう私の願いが通らなかったときに出てくる感情。
それって結局、相手がどう動くかに期待してたということ。

たとえば——
「こうしてくれたら嬉しいな」と思って伝えても、実際に行動するのは相手。
こっちがどれだけ願っても、相手が動かなければ「思い通り」にはいかない。

でも、「うまくいかない」は違う。
それは、自分が何かしら“行動した結果”として出てきた反応。

つまり、「思い通りにいかない」は“願いベース”。
「うまくいかない」は“行動ベース”。
この2つをごちゃ混ぜにすると、自分を責めたり、人を責めたりして、苦しくなる。

「うまくいかないこと」は、自分が進んでる証拠。
「思い通りにいかないこと」は、手放しのレッスン。

そのどちらも、ちゃんと私を育ててくれてる。

後編に続く↓
思い通りにいかなくても、人生はうまくできてる【後編】

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